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ジョジョ五部妄想吐き出しブログ。 ギアメロ中心に暗チの妄想を語ったりSSにしたりします。 ちょっとぁゃιぃ妄想はワンクッション。
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毎日毎晩サバトのごとくギアメロ充していますせいですこんにちは。
ほぼ毎日阿呆のごとくはっちゃけていますが、まだまだ話未満にもなっていない清書待ちのSSが列をなしてフォルダの中にぶっ込まれている状態なのですが、その中のかなり初期の頃に書いて放置してあったギアシャツを着たメローネのSSの一文をTL上に放牧したところ、フォロワーさんの素敵イラストが投下される→ギアシャツ着用のメローネで萌え語りが炎上\(^0^)/→何か色々出来た。

そんな訳で以下から彼(ギア)シャツを着たメローネのお話です。
色々節操なく書き散らしたので幾つか注意事項。

・女体化あり
・強姦未遂描写、またはそれをほのめかす描写あり
・モブ注意
・キャラ崩壊がいつも以上にひどい(ギアッチョとかギアッチョとか/大事なことなのでry)

覚悟が決まった方のみどうぞー。


拍手[1回]

【君の生身と残り香と】
「Ciao!」
クローゼットを開けたら、俺のシャツを素肌に身に纏った変態がそこにいました。


任務を完璧にこなし、疲れた身体を引きずりながらアジトへ戻り、報告書やらなんやらの後始末を済ませ自室へと引き上げた際、ギアッチョの頭の中にあったのはとにかく着替えて寝たいの一心だった。
立て付けの悪い扉を開け、一週間前と何ら変哲のない宛がわれた部屋の中・・・のはずだがどことなく違和感が漂っていたが、きっと留守中に誰かが自分の持っている本やら雑誌やらを借りていったのだろうと片付けてギアッチョは着替えのためにクローゼットの扉を何の他意もなく開け・・・。

そして冒頭へ至るわけである。

「な、ななな何してんだてめえわぁーーーーーー!!」

絶叫と共に渾身のかかと落しがクローゼットの妖精と化した体育座りのメローネの後頭部に決まる。
二畳ほどのクローゼットの中、服の他に色々な雑貨が詰め込まれている中、よくそんなすっぽりと身体を収められるところがあったなと、激高した頭が瞬間的に冷えていくにつれてある意味感心しながら痛みに悶えるメローネをクローゼットから無理矢理引きずり出し、ぽい、と床の上に放り投げた。
「あたた、愛しい恋人との一週間ぶりの再会にしてはひどいんじゃないか?ダーリン。」
「おう、俺だって久しぶりに会った恋人にはできればハグで応じたかったんだけどな?」
養豚場の豚を見るような目で見下ろしても動じないどころか、全く愛情表現が過激なんだから~などと呑気にのたまいながら居住まいを正すメローネに、何がどうしてこうなったかを首根っこ掴んで吐かせる方にシフトする。
「ん~。まあ、俺も色々と俺も寂しかったわけよ。」
とりあえず自分のシャツを剥ぎ取りたかったが、それを取ってしまうと全裸になってしまうのは、むき出しの太ももを見れば明らかだ。
渋々ながらそのままの姿でいることを許容したギアッチョはベッドの上で足を組みながら、ジャポネーゼ式の反省のポーズである正座をメローネに取らせながら・・・まったく反省はしていないだろうが・・・自白を聞いていた。
「ほぅ、てめえは寂しかったら部屋主の許可も取らずクローゼットに入って人の服を着るのか?知っていたがとんでもねえ変態だな」
改めて言葉に出してみると、そういう自分は何でこんなのと付き合っているのだろうかと至極真っ当な疑問にたどり着くが、別れようなどとは今このときでさえも微塵も思わない。
「あ、言っておくけど誰のでもって訳じゃないよ?」
まあ、ギアッチョがこのチームに来る前には不可抗力でリゾットやプロシュートのジャケット等を借りたことはあったけど・・・とはさすがに言わなかった。それとこれとはそうする理由が全く違うからだ。
「この前さ、テレビで見たんだ。」
いわく、メローネの話によると、『恋人と会えない時に何で気を紛らわすか?』といった特集で、その圧倒的支持率を得たのが、恋人の衣服や寝具の残り香が寂しさを紛らわせるためには一番の手段だったということ。
「・・・まあ、俺も別に頭から信じてたわけじゃなかったんだけどさ・・・。」
背は同じぐらいだが、身体の線がチーム内で最も細いと思われる体躯のメローネが纏うと、明らかに自分のシャツは彼には大きい。襟元の上部にあるボタンを外してすっぽりとスモックのように被っているため、上半身の露出は押さえられているが問題は下半身だった。ひらひらとした花弁のようにカッティングされた裾野は辛うじてメローネのきわどいところを隠してはいるが、そこから伸びる閉じられた白い太ももを知らず凝視してしまい、ギアッチョは思わず赤面する。
「・・・確かに気は紛れたけど、入っているうちにあんたがいないんだってこと、実感しちゃって。」
もじもじと俯いてそんなことを言い出すメローネは確かにいじらしくて可愛い、と思わないわけではないが、そんな理由で自分がいない間にクローゼットに入られてはたまったものではない。斜め上に至るその発想に思わず痛み出した頭をごまかすようにギアッチョは眉間に指を当てながら重く溜息を吐いた。
「あー、大体言ってることは判った。」
その行動は共感できないけどな、そう付け足しながらギアッチョは床に座り込んだままのメローネの身体を立ち上がらせるとそのまま乱雑にベッドの上に押し倒す。
「わ、・・・っと。」
そうしてそのまま覆いかぶさるギアッチョにメローネはくすり、と笑みを浮かばせた。
「何をどういう意味で判ってくれたのかな?」
悪戯っ子のように尋ねるメローネに答えずに、その果実のような唇にギアッチョは性急なキスを送る。
「んっ、」
汗も汚れも疲れも流さないままの抱擁から色濃く漂う匂いが、吸い上げられる舌先が、メローネに一週間ぶりの彼を堪能するようにと伝えてくる。
お互いに息が切れるまで交わされたキスが解けると、細い綺羅銀糸が二人の間を繋いで消えていった。
「・・・クローゼットの中に侵入するよりもこっちのがよっぽどいいだろ」
「ふふ、そりゃあね。」
自身のシャツを纏いながら無邪気に笑うメローネの身体に顔を寄せると、こちらとしても一週間ぶりに嗅ぐ彼の体臭が、自身のシャツに残る匂いと入り混じり、ギアッチョの鼻腔を掠めていく。
それぞれ引き絞られた糸がぷっつりと切れてしまった二人はもう、互いを夢中で貪りあうことにひたすら専念するだけだった。


「あーあ・・・」
情事後の荒い息を整えてしばらく横たわっていたメローネの腕がだらりと床下に伸ばされ、ベッドサイドに落とされた行為の前に着ていた彼の服を拾い上げ小さく唇を尖らせる。
「匂い、薄くなっちゃった。」
くん、と鼻先を寄せて服に辛うじて残っているギアッチョの香りを堪能しようとするが、明らかにもう匂いは薄れている。
「おい」
「わっ」
寝入ったと思っていたギアッチョの腕がもぞりと動き、懲りない悪戯をしでかし始めているメローネを戒めるように回される。
「まだ諦めてなかったのかよ。」
「うー、ん。」
歯切れの悪い言葉と、実際の自分がここにいるのにという微かな嫉妬を抱きながらシャツから手を離さないメローネの顔を自分の方に向けて、ギアッチョは小さく溜息を吐く。
「おめぇ、今度から俺のいない間、俺の服一枚だけ持っていけ。」
「え・・・?」
「クローゼットの中に進入されるよりマシだ。一枚で一週間やそこらは持つだろ。」
ただし洗って返せ。そしてヘンなことに使いやがったらぶち割ることは頭に入れとけと早口で念を押されくるりと後ろを振り向き耳まで真っ赤になったギアッチョをメローネは呆然と見つめている。
「勿論!愛してるぜ、ギアッチョ!」
先ほど自分がつけてしまった爪跡から微かに香る匂いが彼の匂いと交じり合う幸福を感じ入り、花がほころぶように笑いながらメローネは、やはり生身の彼に勝るものはないと思いながらその背中に顔を埋めていったのだった。


【彼の全てに抱かれて】(ギアメロ♀/強姦未遂描写あり)
「おい、この馬鹿女。」
彼の声に一瞬大きく身体を跳ね上がらせた直後、かたかたと震える、細く華奢な身体。
辛辣な言葉とは裏腹の温かいミルクの入ったマグを、ギアッチョは、自室のソファに座る同僚のメローネの前にそれを差し出した。
「ぁ・・・」
ことりと置かれたそれにすら怯えた瞳を向ける彼女の翡翠は、薄暗い室内の中で、更に仄暗く見える。
この部屋に連れ込んだ際、問答無用でバスルームに押し込んだため、べたりとした血液と自分には馴染みはあるが彼女にとっては生々しく恐ろしいものでしかない白濁液はすでに綺麗に洗い流されていて、彼女が身に着けていた服は今はランドリーにてゴゥンゴゥンと回っている。
「あー・・・、隣、いいか?」
未だ震えながら小さく身体を丸め出すメローネに、らしくない言葉をかけ、彼女が肯定するまで行動を止めている自分に気づきギアッチョは苦く笑う。
今、湯上りのメローネが素肌に纏っているのは、自分が普段着ているシャツだけだった。下着も勿論ランドリーの中だ。
身長はおおよそ10cmは違う。生まれたままの姿に自分のシャツだけを羽織って自室のソファに腰を掛けている女、なんて。ホルマジオあたりは非常に喜びそうなシチュエーションかもしれない。 だけど、今目の前にいるのは任務に失敗した同僚で。挙句ターゲットに襲われかけて。未遂には済ませられたものの男の恐怖なるものを心の底から味わわされ、それら全てに打ちひしがれている、年齢よりもずっと幼い身体つきの相方に対して何のロマンを見出せというのか。
「・・・ごめん、ギアッチョ。」
ようやく呟かれた声は、今にも消えてしまいそうなほど小さく、そして身体同様震えていた。
「俺、あんたに、迷惑かけて…」
「んなもん今更だろ?」
顔を上げられないまま両膝の上できつく握り締められている小さな手。
「…お風呂、汚しちゃった…」
「水溜りに派手にぶっ倒れたお前を抱きかかえてここまで来た俺もついでに入ったから別に気にしちゃいねえよ。」
その上にポツポツと滴る雫雨。
「っ、あんな、とこっ、おれ、あんたに…あんたにだけは見られたく…」
途端にぼたぼたと零れ落ちる涙にギアッチョは大きな掌を、バスタオルに包まれたままの金髪にがしりと乗せる。
「もう黙っとけ。」
「っ」
これ以上は、なけなしの理性が持ちそうに無い。
「ぁ…」
「メローネ。」
普段は気の置けない相方として接している自分が触れただけでこの様だ。だけど哀しき性と言うべきか、ロマンは感じずとも欲望はいついかなる時でも灯ってしまうものだ。 こうして、か弱い少女のような有様の彼女に対しても。
「忘れろ。」
もう一度、含むようにそう言う。
彼女に対して、そしてそんな下劣な欲望を持ってしまいかけている自分に向けて。
「…ぅっ」
今にも漏れてしまいそうな嗚咽をこらえながら、それでも小さく頷いた彼女にギアッチョはよし、と頷いた。
「なあ、隣、いいか?」
湯気の立つマグカップにメローネの手がおずおずと伸ばされたのを目にして、もう一度問いかけると、こくり、と頷いたのを確認したギアッチョは、ようやく彼女の隣に腰を下ろしたのだった。


【今はあなたに触れられない】(ギアメロ/強姦ほのめかし描写あり)
全くもって悪趣味極まりないとギアッチョは、メローネの何とも形容しがたい服を手に取りながら忌々しそうに眉根を寄せた。
胸元と腰周りを中途半端にガードする布。それ以外は右上半身はほとんど露出する形になるその服のデザインに対しての感想ではないし、今更そんなことを言ったって詮無き事だ。彼が今不愉快になっているのは、同じデザインのスキニーパンツの部分が乱雑に切り刻まれ、その所々には血と馴染みのある生臭い臭いが染み付いていることにあった。
全くもってゲスの極みだと思いながら、ボロ雑巾にする価値すらなくなったそれを丸めてゴミ箱に投げる。 持ち主の了承は得なかったがその必要はないだろう。そんなものを洗ってまで身に付けられる程太い神経を持っていないのは、冷たい床の上でうなだれている姿を見れば容易に理解できることだった。
「おい」
「…」
「そんなとこ座ってんな。身体が冷える。」
「…」
うなだれている姿に声をかけても反応は薄い。小さく舌打ちをしながらも、風邪を引かせてしまえば後々自分達が困ることになるから捨て置くわけにも行かない。なのでソファの上に座れと促すために手を伸ばしたが物凄い勢いで振り払われた。
「…」
「ぁ…」
血と精液の臭いを洗い流し、まっさらなバスタオルで身体を包んでいる彼が怯えたように顔を上げる。
「ぎあ、っちょ?」
「おお」
「あ、あれ、ここ、なんで?」
今の今まで気づいていなかったかのような反応にギアッチョは小さく息を吐く。

深夜というよりも明け方の時間、自宅を訪ねてきた彼を不機嫌丸出しの表情で出迎えたのは良いが、その様相に絶句した。 露出された肌と衣服に切り刻まれたナイフの跡、そして黒地のそれに所々こびりついていた白い体液。
『ごめ、ん…っ』
今にも死にそうな表情で謝罪の言葉を口にした途端に震え出す身体に、どうしたんだお前と問いかけながら差し伸ばした手は今と同じように振り払われ。
『あ、ごめん、あの、俺…』
今と同様に怯えた顔をしながらも必死に笑みを作る姿が痛々しくて、招き入れたのは半刻前のこと。

「…何か、飲むか?」
何があったかなんて聞くだけ無駄だった。
柄にもなく心配して差し出した手を二度も振り払われるという目にあったがギアッチョの中には怒りはいっかな沸いてこなかった。 シャワーを浴びた後、傷の手当をした際も、脱脂綿が触れるたび痛みではない震えが常に彼を襲っていた。
来客用の寝巻きなど置いていなかったので仕方なく自分のシャツとパンツを差し出したが、ごめんね、気持ちだけで良いからと頑なに拒否し、結局バスタオルを上半身と下半身に巻きつけているだけの姿だ。 襲われたばかりだというのにその無防備な姿はどうかと思ったがさっきと、そして今の反応で漠然と理解する。
男である自身が同じ性を有するものに襲われた恐怖、屈辱、絶望。今の彼はそれを思い起こさせる物から身を守っているに過ぎない。例えそれが相方である自分であろうとも。
「…」
こんな状態の彼から何があったかなんて聞けるほどギアッチョは無神経ではないしそれを望まない。
何もいらないと言う様に小さく首を振るメローネに、寒くはないかと尋ねると今度はこくりと頷いた。
「じゃあとりあえずソファに座れ。」
「…うん。」
今度は素直にギアッチョの言葉に従い、のろのろと腰を下ろす。
「寒くないか?」
もう一度問う。
「寒い、…でも、ごめん…。」
返ってくる言葉は同じでも。
「…そうか。」
「うん。」
小さく頷くものの、寒さに肌を青ざめさせ、カタカタと震える身体を目にすると何もしないわけにはいかずギアッチョは、使っていない毛布がなかったかと立ち上がりかけるが、その時、くん、と服の裾が引っ張られもう一度ソファに身を沈める羽目になる。
「おい」
「…」
「離せ」
「…」
相変わらず相方は唇を噛み締め黙ったまま震えていたが、それでもギアッチョの服を離そうとしない。いい加減苛立ちが募ってきて、こうなれば無理にでも振り払ってやろうと立ち上がりかけた時、吐息のようなか細い声がギアッチョの耳に届いた。
「さむい…」
「おう、だから毛布」
「いらない。」
「あ?」
「そばに、いてくれるだけでいい。」

いよいよもって剣呑になる自分の声に重なるように紡がれる言葉。

「…それだけじゃ風邪引くぞ」
「…背中」
「…」
「背中、貸して」
「…判った。」

互いの精一杯の譲歩の結果、ギアッチョは俯くメローネに背中を差し出す形で身体を寄せると、おずおずとだが重みが加わる感覚が伝わっていく。
「…どうだ」
「あったかい」
「…そっか」

シャツ越しにじわじわと染み入ってくるメローネの低い体温。中々温まらないであろう彼の身体にギアッチョは臍を噛む。
どうして自分が持つものは、凍らせる能力なのか、と。 今までこんなことを思ったことなどなかったのに。 今は無性に、己の背後で静かに息を吐き続けるメローネを温めたくて仕方がなかった。

やがて白々と窓の外が明るくなり始め、メローネのか細い息が寝息に変わり始める。
ここに来てようやくメローネが温まることが出来ると安堵の息を吐いたギアッチョは、遅すぎる眠りへと誘われゆっくりと瞼を閉じていった。




【謎はすべて解けた】(ギアメロ/残念ギアッチョ)
彼が着ているシャツは全体的に露出が少なく、シンプルなデザインだ。色もアイボリーで身体の線もそれなりに強調できるし、持っているストライプのズボンとの相性もいいし、他に色々と着まわせる便利なアイテムだ。ただ一点の難点を除いては。

『お前のそのシャツの裾?何でそんなにファンシーなんだ?』
そう尋ねられたのは確かホルマジオだっただろうか?
うるせえクソ坊主!言うに事欠いて人の着ている服をファンシーだと!?と、曲がりなりにも先輩に対してブチギレたギアッチョが、騒ぎを聞きつけたプロシュートに兄貴蹴りを背中に喰らい昏倒したのはそれからすぐ後。
それからしばらくしてから、相変わらずひらひらしてんなァそれ、とイルーゾォに呟かれぶん殴ろうとしたが鏡の世界に逃げ込まれ未遂に終わり、まぁ似合わなくはねえけどよと顎に指をかけられてプロシュートに感慨深く呟かれどういう意味だと切れて食って掛かろうとする前に額を直触りされ抵抗する力を押さえつけられても尚、彼はそのシャツを着ることをやめなかった。

しかし、彼はついに何故自分がこのシャツを着続けていたのか、その真意にたどり着くことが出来た。

「あ、あのー、ギアッチョ、さん?」
「気味悪い呼び方すんな。」

目の前に座るのは、遠征の帰り、バイクを走らせていたはいいが雨に降られたため、緊急避難場所として自分が借りているアパートに転がり込んできたチームの同僚であり恋人のメローネが、シャワーを借り、着る服も濡れてしまったため乾かしている間だけという名目で、自分のシャツを身に纏っている姿だった。
背は同じぐらいなのに肉付きは悪い。筋肉はそれなりに整えられてはいるが線の細さが拭えない、そんな体躯だからギアッチョのシャツは大きく、そのひらひらとした裾はまるでワンピースのように、彼の曲線めいて見える太ももを際どい形で包み覆い隠している。

「いや、だってさ、あんたすごい目が据わってるし、それに何で俺こんなに強く肩掴まれて、うわっ」

メローネの言葉を聞き流しギアッチョは彼をベッドに淡々と押し倒す。
真上から見下ろしてやると見れば見るほど彼によく似合っている。
彼が普段仕事の際身に付ける、無駄に露出度が変則的な衣装は、ここだけの話だがそこそこ悪くはないと思っている。あれは選ばれた真のイケメンだけが付けられる衣装だと思えば何の不思議もない。
加えて周りには不審度がタダ上がりと評されるアイマスクと同じ独特な模様を描く布で作られた手袋は外していないままだったがそこがベネ。そそられる。
そして、散々仲間内にからかわれた自身のシャツの裾をまじまじと観察してやれば、白い滑らかな太ももを頼りなげに隠すそれは、メローネの外見と相まって白いチューリップのように思えた。

(そうか、俺はコイツにこれを着せるためにずっとこのシャツを着続けていたのか。そうか)

無言のまま一人納得しているギアッチョにメローネはひらひらと目の前で手を振りながらひたすら声をかけ続けている。
「もしもーし?もしもーし?おーい、ギアッチョー、戻ってきてー?もしもーし?」
困惑する恋人の声を右から左に聞き流し、どうだ、これで納得のいく答えが見つかったぞざまあみやがれと、かつて散々自身の服をコケにしてくれたチームメイトにそれを証明しようと、ケータイを取り出してメローネに向ける。
「は?」
呆気に取られる彼の間抜面は極力映らないように、彼の唇から膝上までが映るように調整し終え、かちかちかちと文字を打ち、自分たち二人以外のメンバーに一斉送信するまでを一分もかからずにやってのけた彼にメローネはいよいよ不審な面持ちになる。
「ねえ、本当どうしたの・・・んっ」
滅多に見ることのない晴れやかな表情に先ほどの行動の意味を問いただそうとするメローネの唇にギアッチョの薄い肉付きのそれが押し付けられる。
軽く噛まれながら舌先を吸い上げられ、ちゅく、ちゅ、と音を立ててかき混ぜられ。
「ふは、っぁ」
唇を離された時に見えたギアッチョの顔がこれ以上にないほどご機嫌だったため、まあ、いいかと流されるまま、メローネは彼との行為に没頭し始めたのだった。

後日、ギアッチョからのメールを見た他の面々は、元から彼にそういう変態的な部分があったのか、それとも恋人があれな時点で変態が移ったのか、はたまた男は皆どっかこっか変態的なのかという三つ巴の意見が飛び交い、偶然その話題に割り込んだメローネがあの日、彼が何を送ったのかを知ることとなり、珍しく赤面しながらギアッチョを大声で呼び出し、プロシュートもかくやと言わんばかりの蹴りを叩き込む光景を目撃することになるのである。



【ある善良なる市民の悲劇】(モブ視点/ギアメロ)
とある住宅街を訪れた彼は、よくいる勤勉な労働者だった。
仕事は宅配で、送り主から賜った荷物を正確に受け取り主に託す。文字にすればそれだけのことだったが、その仕事に誇りを持っていた。
彼がこの日やってきたのは、クリーム色の壁のアパルトメントだった。築数十年は経つそこは、最近大幅なリフォームをしたとかで築年数に比べて家賃はそこそこ安い。ただ、交通の便が多少不便なところにあるため入居者は少なく空きがそれなりに目立つそんな場所だった。
その建物の三階の角部屋に届ける荷物があったため、彼はそこに足を運んだ。それ以外の他意も理由もありはしない。でなければ、差出状からして通販だからか、たんまりと購入したであろう本の重量を腕に抱えてエレベーターのない階段を上っていく苦行はなし得ない。
そろそろ夏の終わりとは言え、日中はそれなりに汗ばむ日差しに見舞われる。伝う汗を思うように拭うことも出来ないまま、彼はようやく目当ての部屋に到着し、呼び鈴を鳴らした。 じりりりという、呼び出し音としては多少うるさい音色が耳に響く。
そのまましばらく待っていると、ギアッチョー、誰か来たよー?という声が聞こえる。そこから察するにきっとこの声の持ち主は、部屋の主の友人だろうか。気安さが垣間見えるどことなく耳障りの良い声だなと思っていた彼の目の前の扉が不意に、開かれた。


!?


瞬間、彼の脳裏はこのマーク一色で埋め尽くされた。
何だこれは。
「ん?あれ?」
不思議そうな声を聴き、これはさっきの声の持ち主だということは容易に判明する、だが、目の前の人物は、彼のありとあらゆる想像を遥かに超えた者だった。
小首を傾げながら、ギアッチョ何頼んだのー?と部屋の奥に向かって叫ぶ声は、コントラルトよりも若干低いがどこか甘い響きを持ち。きらきらと輝く髪は陽の光を集めたような白に近い金色。そして卵形のフェイスラインの中に収められている整った顔立ち。前髪に片方は隠れてはいるがぱちりとした瞳は、この国の海を思わせるミントグリーン。
そして何より目を引いたのは、スラっとした長身に日に焼けることを知らないような色素の薄い肌…の太ももが、まるで花弁のように広がるシャツの下から惜しげもなくさらされている事実だった。
「・・・あ、あの。」
ぱくぱくと口を動かしながら彼は仕事の一環としてサインを求めようとするが、目の前の扇情的な姿を見せる人物を前に仕事をするなどとは馬鹿らしい、ここはイタリアーノの名にかけてこのベッラを誘えと誘惑する自分と、何を言うか!ナンパするしないはこの際置いておいて、どうやって誘い文句を謳う気だ。“あなたのかっちりとした白い花のシャツの裾から零れ落ちる太ももの誘惑にやられました”としか言いようがない状況でそんなことを言ってみろ!会社の信用問題にも関わるんだぞ!ここは一度引いて後からモーションをかけろというもう一人の自分との闘いに葛藤する彼を、白い花シャツの君(仮)は不思議そうな顔でこちらを見ている。
「あの、サイン、「メローネェーーーーー!!」
恐らくは、『いらないの?』と続けようとした言葉を遮って、絶叫にも似た声が奥から聞こえてきたかと思うと、ものすごい勢いで駆けつけてくる一つの影。
「!?」
その瞬間、彼の脳裏には再び例の記号によって埋め尽くされ、そして身の危機をまざまざと感じ取り戦慄した。
恐らく駆けつけてきた彼がこの部屋の主なのだろう。なるほど、読書の虫らしく赤いフレームのメガネがよく似合う、天然にしては物凄く渦を巻いている髪型が洒落た男だ。最も、その眼鏡の向こうにあるアリスブルーの瞳が、今にもこちらを殺さんばかりに向けられていなければの話ではあるが。
「おめえは何度言ったら判るんだ!んなだらしない格好でうろちょろすんじゃねえ!」
「えー、だってギアッチョの服って全部俺には大きすぎるんだもん。それに俺の服を駄目にしたのギアッチョじゃないか」
ぷくーっと頬を膨らませながら、花シャツの裾を揺らしながら抗議する姿は無邪気なのか天然なのか、それとも計算づくなのか彼には知る由もなければ知るすべもない。ましてや交わされた会話の真意は一体どういうことなのかなど知る勇気すらない。
「おいてめえ」
「ひぃっ」
さりげなくその背中にメローネと呼んだ人物を隠しながら、今にも血管をブチ破りそうな表情をした渦巻き頭の男が彼から乱暴に品物を受け取り、今にも破けんばかりの力でサインを署名する。
「あ、ありがとうござ」
いました。と続くはずの言葉はバターン!と勢いよく閉じられた扉に掻き消えて行き、 善良な一般市民の彼は、一体自分が何をしたのだろうと茫然自失としながらも、目の前にちらついていた白い花弁のシャツの裾から覗いていた白い脚が思わぬ収穫だったと自分を納得させ、ここでの仕事を追え帰路へと着こうとした。
「おい」
だが、そんな彼の気持ちをあざ笑うかのごとく、背後の扉が音もなく開かれ、途端流れ込んでくるのは身も心も凍る冷気と、水色の髪をした悪鬼の姿だった。
「ひいい!?」
情けない悲鳴を上げてしまったがこれを目の当たりにして平常心でいられる人間がいたら是非紹介して欲しい。心の底からそう思いながら、ななななんでしょうか?と震えながら彼は形相の男に問おうと口を開く。
「今日見たことは全部忘れやがれ。」
「は?」
「は?じゃねえよ、忘れろっつってんだ。」
地を這うような低い声と共に漂ってくる冷気は段々と低くなっていき、そして。

彼の記憶はそこで途絶えた。

彼らが住まうアパルトメントからそう離れていない場所で、夏の終わりだと言うのに頭だけを凍傷一歩手前に凍らされたという宅配員が発見され、無事保護されたというニュースが流れたのはその日の夕方のことだった。


書いていてものすごく楽しかったところ

・ギアッチョの服の裾から伸びるメローネの太ももの描写
・うなだれメローネ
・無自覚に色気を振りまくメローネ
・残念なギアッチョ

余すところなく変態な自覚はあります。もはやこれが通常運転です。治すつもりのない悪癖です\(^0^)/
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