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ジョジョ五部妄想吐き出しブログ。 ギアメロ中心に暗チの妄想を語ったりSSにしたりします。 ちょっとぁゃιぃ妄想はワンクッション。
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フォロワーさんの泣きじゃくるメローネなるイラストを拝見して、散文を書いたのは良いけど、更に導火線が伸びてしまったことと、そういえばあんまり暗チ×メローネって見かけないなぁと思ったのが運のツキで、ツイッター上に放牧していたものをまとめて一気に書き直すという暴挙に出た→逝きかけました\(^0^)/

そんな訳で以下から前提とした設定のような散文と文中に出てくる人物がそれぞれのキャラだった場合という説明しなきゃ訳のわからないシチュエーションの小説が始まります。

全員洩れなくキャラ崩壊。
メローネをめちゃくちゃ甘やかしている暗チしかいません。
ソルベとジェラートはキャラ付けがしっくり来なかったので今回はパス。


以上を踏まえてお読み下さい。



拍手[1回]


一人夜泣きの哀しい子ども
「止めろよ。」
三日も音沙汰がなく、根城であるアパートのベッドの上でぐったりとしていた自分を訪ねてきた同僚に、メローネは弱弱しく懇願する。
「俺に、構わないでくれ。」
頭も身体もぐちゃぐちゃで、大層みっともない姿を晒して、情けないことを言っているのは自覚しているし、彼が自分を心配してくれていることも判っている。

だけど。
別にこれはわざわざ足を運んで心配されるようなことじゃない。自分が弱いからこんなことになる。泣けば鬱陶しがられ、苦しむ姿を見せれば付け込まれる。こんなことはずっと昔からあったことだ。一人でじっとして、治るまで隠して、それで立ち直ってきたのだ。

「あんたに心配されるようなことは、何もない。」
だからお願い。
放っておいて。

再度希うメローネの目じりを、その懇願を否定するかのように近づいてきた彼の指先が、優しすぎる仕草で触れた。

「――…」

そして、思いもよらない安らぐ言葉を浴びせられたメローネは、大きく瞠られた翡翠の瞳から、ただただ感覚が麻痺したかのようにただひたすらぼろぼろと涙雨を降らせ続けるのだった。

※次から文中の誰かがそれぞれのメンバーだった場合※

強くお人好しの暗殺者:リゾットの場合
「お前は、ずっとこうして一人で耐えていたのか?」
目の前に立つ黒い男に向けられた、暗殺チームの長とは思えないほど悲しげな声と表情に思わずメローネは困惑する。

なんで?何でそんな顔をするんだ?
あんたがここに来たのは、そんな悲愴な声で俺を気遣うためじゃないだろう?

――…お前前みたいな役立たずはこのチームには必要ない。
――…暇をくれてやるからどことなりでも行くが良い。

そう、最後の通達を伝えに来たんじゃないのか?

呆気に取られたメローネの鼻腔をかすかな血の香りが掠めていく。それを感じたのと同時、低い体温の硬い指先が不器用にメローネの目じりにたまる涙を拭い去る。

「リ・・・」
「そんな寂しいことを、言うな。」
「え?」

思考の処理が追いつかないメローネに、闇夜に浮かぶ紅月の瞳が寂しそうに伏せられ、呟かれた言葉にメローネはいよいよもって混乱した。

「心配されるような状態に陥っているお前を心配をさせてくれないなどと。」
「っ・・・」

だから、なんで、そんなことを言うのか。
あんたは泣く子も黙る暗殺チームのリーダーだろう?

こんな風にメンタル面が脆く、いつまで経っても過去から抜け出せな腑抜けには用はないはずだろう?
そんな甘い考えを持っていたらきっといつかどこかで足を掬われる。俺はあんたにとってそんな存在にはなりたくない、のに・・・。


「・・・メローネ。」

ふつふつと心に積もり募るリゾットの声と伝わってくる感情に最後の一滴が注がれるには十分すぎるほど、優しく名前を呼ばれる声。

「~~っ、ふ、っぇ、~~っく、」

こらえきれない嗚咽を漏らす、今の今まで一人で耐え続けてきた彼の本来の姿は寂しがりの子どもだった。
それにたった今気づいたリゾットは、そんなメローネを静かに見つめながら、今まで気づけなかった分、自らの前で泣いてくれることを促すように、ただひたすら彼の頭を撫で続けるのだった。


高潔な誇り高き暗殺者:プロシュートの場合
「手間かけさせてんじゃねえよ、このマンモーニ」
他人にも自分にも厳しく情にあふれるこの男に、こんな情けない姿を見られてしまった。そう思うと今にも消えてしまいたくなる衝動に駆られて思わずブランケットを引き上げようとしたが、素早く阻止されてしまい、メローネは次にやってくる言葉と衝撃に身を固くしながらそれを待つ。
「・・・ペッシが阿呆みてえにお前のことを心配していやがる。」
だが次にやってきたのはメローネが想像していたものとはだいぶかけ離れた言葉だったが、非常に彼らしいもので、ああきっと軟弱な自分のせいでうろたえさせてしまった弟分はきっと、この身も心も高潔な兄貴分に叱咤されてしまったのだろうとぼんやりと考えた。
ごめんね、ペッシ・・・と心の中で謝りながらメローネは、プロシュートが軽く手を持ち上げる動きを確認すると、次の行動をある程度予測し、それに備えてぐっと奥歯をかみ締めてぎゅっと目を瞑った。
「・・・え?」
しかし待ち望んだはずの衝撃はいつまでもやって来ず、代わりに訪れたのはそっと目元に触れられる優しい指先だった。
「あいつだけじゃねえ、他の連中も、普段クソやかましいお前がいねえってだけでアジト内は葬式状態だ。」
その口調とは裏腹の繊細な、どこか手慣れたように動く、自分の涙を払う指先。
その動きに翻弄されながらもメローネは頭の片隅で、きっとこの綺麗な指先は、自分よりもか弱く強かなシニョリーナの涙を、文字通り星の数ほど拭ってきたのだろうと場違いなことを思い始める。
だからこそ彼には判らなかった。
だってプロシュートという個は、数多の女性とペッシのために存在しているようなもので、その視線と身体は決して自分には向けられないのだろうと思っていたのだから。
殴られる価値すらなく、冷たい視線を向けられる価値すらない。プロシュートの中で自分はそんな取るにも足らない存在だと本心から思っていたのだ。
「ぶぎゃっ」
呆気に取られていたメローネの鼻先が不意に思いっきり抓られる。途端口を付いて飛び出した色気の無い声に、プロシュートは茶目っ気たっぷりに笑いながらメローネの形の良い鼻梁から指を離すと、ぐしゃぐしゃとその前髪をかき混ぜた。
「だからとっとと治して、さっさと見飽きたてめえのツラを見せやがれ。」
それで少しはあいつらも落ち着くだろうよと、ぺしりと軽く額を叩かれながら降り注ぐ言葉に、メローネは自分の中のプロシュートの認識が少々ずれていたことを思い知らされながら、少なからず敬愛する男から贈られた笑みと言葉に、涙に濡れながらも久方ぶりに笑顔を作る。
「ハッ、何だそのツラ。しまりがねえな。」
軽くこつりと額を叩かれて、無理して笑わなくてもいい、さっさと寝ちまえと、瞼を閉じるために翳された手首から香る、コロンの匂い。

「・・・・・・。」
自分は、この男に心配される価値のある人間だと自惚れてもいいのだろうか?
こんな風に甘やかされるくらいには、必要とされていると思ってしまってもいいのだろうか?

口に出して尋ねることなど決してない愚かしい想いを抱きながらメローネは、閉じた瞳の先でプロシュートがこれ以上に無いほど慈愛に満ち溢れた表情をしていることなど知る由もないまま、ゆっくりと眠りの世界へと誘われていった。


陽気で朗らかな暗殺者:ホルマジオの場合
「ったくしょうがねぇなァ~。」
おおらかな性格とその口癖で、大概のことは何でも受け止め、いつもその場を和ませてくれるホルマジオの表情はどこか翳りのあるように見えた。
それは当然のことだろう。起き上がることも出来ず自分を管理しきれない、そんな惰弱な仲間の様子を見に来させられたのだから。
リゾットかプロシュートかどちらの提案かは判らない。だけどこの陽気で寛大な男にこんな情けない姿を見られたくは無かったと、心配してくれている仲間の心遣いにさえ身勝手な苛立ちを募らせる自分が心底嫌になる。
身体を胎児のように丸めてそっぽを向いたメローネの耳に聞こえてくるざりざりという音。それはホルマジオが何かを考えている時にそうする、自身の赤頭を掻く癖だということをぼんやりと思い出す。

「自分の欲望に素直なはずなのに、どうしてこういうところはヘンに隠し立てるかなぁ?」
心底不思議そうにそう尋ねてくるホルマジオにメローネは驚きに目を見開いて振り返る。

だって・・・。
「お?」
唇だけでそう呟いたメローネにホルマジオは軽く身を乗り出す。

だってこんな弱りきった姿を見せたら、襲い掛かってくるか見捨てられるかの二つに一つしかなかったから。
必要ないだろう?こんな欠陥品。

「・・・・・。」
根気強く耳を傾けてくれているホルマジオに、何も言えない唇を動かしかけては口を噤むを繰り返すメローネに、彼は小さく息を吐きながら、それだけしんどかったんだよな、とだけ呟いて腰を浮かせた。

「あ・・・。」
違う。そうじゃない。
でも、だけど・・・。

失望されてしまった、そう思うとたまらなく怖くなり腕を伸ばそうとした刹那、ごつりとした掌が不意に側頭部に置かれ、メローネは小さく息を呑んだ。
「・・・早く、良くなれよな。」
皆、心配してるんだから。
「・・・う、ん・・・っ」
与えてもらったことの無い、言葉と温もりを受け止めたは良いが、それをどうしたら良いのかわからず再びぼろぼろと泣きじゃくるメローネを、ホルマジオはしょうがねぇなァと再度呟きながら、彼が寝入ってしまうまでずっとその頭を撫で続けていた。


同属鏡像の暗殺者:イルーゾォの場合
「・・・っ、何で」
普段騒々しい男が三日も音沙汰がないことを柄にもなく心配して尋ねてきたイルーゾォが目にしたのは生気のない人形のようにぐったりと横たわっている同僚の姿だった。
来るな、頼むから帰ってくれと、か細く必死に訴えるメローネの言葉を無視して、イルーゾォは彼が設ける境界線を強制的に突破する。
「イル、・・・」
滅多にない自分の行動にびくりとメローネは震え上がる。それを見たイルーゾォが、普段見せ付けられている姿は一体何なのかと混乱するのは無理からぬことだった。
スタンドとは、術者の精神を具現化した物である。
イルーゾォは自分のスタンドが、何故鏡の世界を自由に行き来できるものである理由を理解している。鏡の中は何者にも干渉されない自分だけの世界を構築できる。現実など何一つ思い通りにならないことを知っているからだ。
以前、酒の席で自分たちが持つスタンドが何故発現されるかに至ったかを聞かれ上記のことを話すと、何その中二病が進化したスタンドなどと目の前の男にほざかれ、酒瓶が空を舞い、割れ、その他リビングの物までもが破壊される騒ぎとなり、結果両成敗ということでリゾットからメタリカを食らい、二人でその惨状を片付けた挙句、酒代は勿論壊れた備品の修理代を給料から差っ引かれたことは忌々しいほどはっきりと覚えている。
「ふざけんなよ」
今思い出しても腹の立つ記憶と、目の前の男の姿が重ならなくて自分でも思っていた以上に低い声が出てくる。
こんな風に、誰にも見られない場所で一人苦しむような本性の癖に、よく人のスタンドをあそこまでコケに出来たものだなと、臆面も無くボロボロと泣き崩れるメローネを見ながらイルーゾォは思う。
多分、彼は自分と同じような物を抱えている。それを見られたくなくて普段は道化の仮面を被りあんな風に馬鹿のように振舞っているのだ。
思い通りにはならない現実の中、どうにか思い通りにしようと足掻いたがどうにもならなかったからこそ生まれた鏡の世界を持つ自分だから気づいた。最も、彼が本心を言わない限り自分の考えはどこまでも憶測でしかないのだが、間違ってるとも思わなかった。こんな風にくず折れて、今にも消えてしまいたいと身体全体で訴えるかのように今も尚弱弱しく、拒絶の言葉を吐き続けている姿を見ていれば。
「・・・・・。」
一人の世界になれる鏡の世界の中には他人なぞ必要ない。自分が許可しない人間以外誰もいない快適な世界。他人と向き合うことをある意味一番拒絶している自分がこんな根深い闇を抱えている面倒くさい人間を救ってやるだの判ってやれるだの言うだけ時間の無駄だ。だけど。
「んな風に一人で溜め込んでんなよ・・・!」
少なくともイルーゾォにとって、目の前の男を含めた暗殺チームの人間は、自分が信頼できる貴重な存在だ。放っておけないと思える程には情けはある。何よりも目の前で苦しむこの男は、歩んできた道を違えれば、自分がそうなっていたかもしれない鏡像に思えて仕方がなかった。
「ひ・・・、っ」
す、と伸ばしたイルーゾォの冷えた指先がメローネの目じりにたまる涙を拭う。嫌だ嫌だと頭を振るメローネを見つめながら、もし彼がそう望んだならば、鏡の世界を提供し思う存分二人で引きこもってみるのも悪くないなと、イルーゾォは自身の指先に温く残る水滴を軽く払いながらそんなことを考えていた。


純粋で汚れ無き暗殺者:ペッシの場合
「は、はは、ごめんな・・・」
プロシュートに言われて来たんだろう?大丈夫だから帰りなよ。 そう、力なく言われてペッシは動揺する。 三日も連絡を入れずぐったりとしているメローネを見舞いに来たのは別に誰に言われたからでもなく自発的に訪ねてきたからだ。
これがリーダーであるリゾットや兄貴分であるプロシュート、果てはホルマジオやイルーゾォ、ギアッチョと言った面子ならばペッシはそんな行動は取らなかっただろう。(恐れ多さと若干の恐怖心があることは否めないが)しかし彼の中でメローネはどことなく危ういと思わせる何かがあった。
スタンドは便利だし任務はそつなくこなす。皆に馬鹿なことを言って絡み、いい様にあしらわれ、それでもめげない根性のある先輩で多分ホルマジオとは別の意味でのムードメーカーなのだろう。だけどその裏側に時折見え隠れする不安定な、影。
「・・・。」
それが鎌首をもたげる期間は誰にも会いたくはないのだろう。最も気の置けない彼の相方にも、絶大な信頼を置いているリーダーにも、面倒見のいい兄貴分にも陽気な先輩にも大人しく控えめな同僚にも。 そんな彼らを差し置いて、こんな姿のメローネを見てしまったことに若干の罪悪感を覚えたが尚のこと黙って帰るわけには行かなかった。
一歩、彼が横たわるベッドに足を踏み入れると、それまでへらりと微笑んでいた彼の顔が一気に青ざめ強張る様子がまざまざと見えた。
「っ、頼むっ、頼むからっ、帰れ!帰ってくれ!!」
普段は温厚に笑っている人物に強く激を飛ばされペッシの身体が竦み上がる。

「・・・ごめん。でも、俺、」
俯いて、がくがくと膝の上に置かれた両腕が震えている。

「お前に、ひどいこと、言っちまう・・・!」
そうなったら。
お前にも。
プロシュートにも。
チームの皆にも。

いらないって、捨てられる・・・。

俯いて絞り出すような声でそう呻くメローネに、そんなわけはないとペッシは思った。
形はどうであれ、チームメイトがメローネを色々な意味で必要としているのことは傍から見ていて判るのに。 暗殺チームは組織の中で最下位の立場に置かれているが、その絆は表世界に暮らす者達よりも強固な物だと一番最後に入ったペッシは常々感じていた。その中に入っていけない寂しさを時折感じてさえいた。
「おれ、もう・・・、どこにも、いけないのに・・・」
なのにこの先輩は、そのチームの和の中でさえ、そんな風に怯える自分を持て余し、耐え切れず、本格的に発狂する前に姿を隠し、一人で耐えてきたのだろうか。

「・・・判り、やした・・・。」

まだ年若い彼には、この男の抱える闇の深さがわかっても、それを癒やす術がどうやっても思いつかない。 ただ彼が出来るのは、メローネの望みどおり部屋を後にすること、そして後日、何食わぬ顔でアジトにやってきた彼を変に気遣わず、この日の彼の姿を見ない、知らない、訊ねずにいつもどおりに接することだと否が応にも思い知らされたのだった。


凍てつく激しさを持つ暗殺者:ギアッチョの場合
「てめえ、ふざけてんなよ。」
仕事上一番組まされる相棒の、心底弱りきった姿を見せ付けられたギアッチョは、部屋の主の必死の懇願を無視してズカズカと彼が横たわるベッドに大股で近づいてきた。
その表情は、普段何てことのない事案に気になり自分自身で考えては見たものの納得の行く答えが見つからず、どうしてだよ!と不満を爆発させるそれと同じなのを認めてメローネは、ふ、と目を細めた。

ああ、また俺は、あんたを失望させちまう・・・。。

そもそもそんな風に彼が怒るのは、納得がいかないことを考えに考えあぐねてそれでも答えが見つからないからだ。それ即ち、彼は常に物事に対していつも真っ当な真剣勝負を挑んでいるからであって言い換えれば何にでも一生懸命な性格なのだ。
暗殺チームという集団で、彼のその粘り強さと強力なスタンドは重宝されているし貴重な戦力として期待されている。
だからこそメローネはそんなまっすぐである意味純粋な彼のエネルギーを自分のためになんか消費して欲しくなかった。

「そうだね。ふざけてると思う。」
「あ?」
「暗殺チームの一員ともあろう人間が、自分の体調も、感情も管理できない。そんなふざけた人間に構うほど、あんたは暇じゃないんだろう?」

だからお帰り。
アラビアータ。

芝居がかった口調で、わざと怒らせるようにおどけた台詞を吐いたメローネの眼前のギアッチョはきっとその表情に更なる怒りのボルテージを上げることだろう。そうして再び冒頭の台詞を、激しく火を噴く火炎瓶のごとくの勢いで叩きつけ、ついでに怒りに任せた力強い拳の一撃も見舞い代わりの品として置いていくだろう。
頬にたたきつけられる痛みと共にやってくる言葉の羅列をどこか期待するように待ちわびたメローネだが、彼に与えられたのはそのどれでもなく。

「・・・本気で言ってんのか?」

静かな、本当に静かな声。

予想外の反応に目を見開いたメローネの眼前に映るのは、怒りに満ちた形相でもなく蔑むような視線でもない。加えてブラックのフィンガーレスグローブに覆われた掌は拳など作っておらずそれどころかメローネの頬に伸ばされ触れられてさえいた。

「え・・・?」

意味がわからず呆然とするメローネの目尻に触れられた温かな感触。

「そんな、情けねえツラで泣きながら言ったって、説得力ねえんだよ!」
クソがっ!と吐き捨てられながらも目尻に触れる指先はどこまでも優しく、そう言われたことで初めて自分が泣いていることを自覚したメローネの目元からは、堰を切ったかのように涙が溢れ出した。

「え、・・・あれ?」

必死に瞳に手の甲を押し当てて止めようとするが、そうすればそうするほど止まらない瞳の洪水に翻弄されるメローネに、おいラメンティーノと声がかかる。

「俺を怒らせて、殴られて、それでお前はどうするつもりだったんだよ?」

「・・・。」

答えることなど出来なかった。なぜならばこんな事を聞いてくる人間なんて周りにはいなかったから。

「お前のヘタクソな挑発に俺がホイホイと乗っかかって、またしばらくは誤魔化せて、時間を稼げるとでも思ってたのか?」
「・・・・・・。」

誤魔化すとか誤魔化さないとかそういう次元の話でもなかった。
表面化する前に何とか持ちなおし、完治していないひずみはまた新たなひずみを産み出し、そして壊れて見向きもされなくなる未来はそう遠いことではないと思っていたから。

こんな風に強引に、自分の領域に入ってくる人間なんて、他にいないし、誰も知らない。

「~~~っっ!」

この期に及んでまだ涙と嗚咽を殺そうとするメローネにギアッチョは舌打ちをし、くるりと身体を反転させるが、その手は目尻から掌へと移動する。

「ギア、」
「うるせえ!さっさと出すもん出しやがれ!」
今まで出し惜しみしていた分、俺が全部見届けてやるから!

そう言い棄てられたのと同時、言葉とは裏腹にどこまでも温かく優しい温もりが掌に重ねられる。
その温かさに導かれるようにメローネのミントグリーンの瞳はただただ涙を流すことに専念する。

やがて溜め込んでいた全てを出し切ったメローネの瞼はそれは見事に腫れ上がってしまったが、ギアッチョの調節した冷気を持つ手が彼の瞼を冷やし続け、結果、能力を使い果たしてしまいメローネに苦笑交じりに看病されることになるのはその翌日のことだった。




――…かなしき子どもに、六つの祝福が降り注がんことを――…。



ハイ、そんな訳でひたすらメロンを甘やかす暗チのお話をお送りしました。
これ、元々はリーダーと兄貴の話の部分が140字以内で終わっちゃってたんですが、マジオ当たりから280字、ペッシに至っては140字×5位まで行っちゃって、これ、ギアッチョになったらもっと長くなるんじゃね?→じゃあいっそpixivに投下すっべ→清書なう→逆にリーダーと兄貴とイルの文章が少なすぎるwwwしかもギアッチョの話思い浮かばねえwww→こうなったらとことん趣味に走りまくって転げまわってやる!心の中でそう思ったry→綺麗なお花畑の向こうに見えた虹の橋の向こうで五年前そこに行ったはずのぬこが養豚場の豚を見るような目で私を見ていました\(^0^)/と言う、自分の頭を指先で作った拳銃でぶっ飛ばすくらい難産でした。
そして今回イルとメロの絡みを書いたのですが、思いの外しっくりきたなぁと我ながら思いますwつうか暗チの中で誰のスタンドが一番欲しいかって言ったらイルーゾォだし、それが発現する経緯もある意味なんで考えてこなかったんだろうってくらいしっくり来たのも彼です。

あと、それぞれのキャラに対するサブタイトルなども付けてみましたが、かえって捻りが無さ過ぎて余計に質が落ちているという悪循環\(^0^)/
でも本当、全部書けてよかったです~。何だろうあの人、女神の類か何かなんだろうか本当。
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