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ジョジョ五部妄想吐き出しブログ。 ギアメロ中心に暗チの妄想を語ったりSSにしたりします。 ちょっとぁゃιぃ妄想はワンクッション。
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短文に投稿しようとしてつらつら書いていたら思いのほか長くなったギアメロ。
別ジャンルでもこの手の話は二つほど書いたけど、やっぱり好きなネタです。


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bentornato a cuscino

「あの、あのねギアッチョ・・・」
「あ゛ー?」
「あの、さ」
「しゃべんな腹枕」
「あ、ハイ・・・。」

外から聞こえた車の音を聞き、三日三晩任務に当たっていたギアッチョが戻ってきたことを覚ったメローネが階下に降りたのが十分前。玄関の扉が乱雑に開かれリーダーは?と、ぐぐもった不機嫌丸出しの声で尋ねられたのが五分前。今いない、あと一時間くらいは帰らないんじゃないかと答えるとはあ!?んだよそれ!!どっかりとソファに身を沈めたのがそれから一分後。
そして
「おい」
「はい?」
「そこ、俺の前に立ってろ。」
「え、」
八つ当たり代わりのサンドバックになれという暗喩だろうか、さすがに三日ぶりに顔を合わせた恋人にそんな扱いを受けたくはなかったメローネが言いよどむと、今にもぶち切れそうなアリスブルーの瞳を向けられる。
「いいから立て」
「わっ・・・と」
殴られる、と思わず身構えたメローネの腕は、疲れきった身体のどこにと思うほどの力でギアッチョに捕らえられ、果たして彼の希望通りにその前に身体を晒すこととなる。
とりあえず次に備えることは不機嫌な恋人の苛立ちを受け止めることだ、と知らず身体に力を入れてそれをやり過ごそうとしたメローネだが、その襲来は思いもよらない形で訪れた。
「へ?」
ぽす、と音はしないものの、腹に訪れた柔らかな衝撃。知らずきつく閉じていた目を恐る恐る開くとそこには特徴的な渦巻きにまみれてつむじすら見えない空色の髪の毛。
「ちょ、ちょちょ、ちょ、ギアッチョ、さん?」
「なんだ?」

いや、何だじゃないでしょう。
そういうキャラじゃないだろあんた。

そう言いかけながらメローネはギアッチョの頭に触れてそっと引き離そうとする。にも拘らずギアッチョはそれを無視するかのように、メローネのそれなりに筋肉は付いているが細身の背中に手を回し、あろうことか両足までも拘束するように絡めてきたのだ。
「は・・・?」
所謂“だいしゅきホールド”の体制をとられてメローネの顔にぶわりと熱が上っていき、そして冒頭へと至る。

この状態に陥るまでたった数十分の出来事だ。何が起こったのか何度も頭で反芻してみても状況は依然変わらない。それどころか腹に押し付けられているギアッチョの顔が時折猫がマーキングをするようにこすり付けて来るし、背中に回されている腕は力が抜けそうになってはまた新たに力を込められて拘束されるし、両足もまた然りだった。
(ああもう、どうしたもんかなぁ。)
メローネはかろうじて動く右手を額に当てて思わず空を見上げる。
普段のギアッチョは恐ろしく短気で怒りっぽいが、一定の怒りが過ぎてしまえば普通に会話もするしスキンシップもする、所謂クーデレのタイプなのだが、こんなあからさまなデレを見せることはほとんどない。任務を共にする際に『オメーを頼りにしてる』とか『俺の背中はオメーに預けたぜ』と言った言葉だけでも十分すぎるほどだ。なのでこのような態度を取られても『恋人の意外な面を見れて嬉しい』と思うよりも戸惑いの方が先立ってきてしまう。
(かわいい・・・というか)
我に返った時のことを考えてしまうとどうしても彼の可哀相なほどうろたえる姿しか見えないメローネは、こうなってしまってからの何度目かの試みとしてギアッチョを引き離そうとする。
「おめえよぉ~。」
髪に指を埋めたところで先ほどと同じ、もっともっとと言わんばかりに猫の仕草のごとくぐりぐりと腹に顔を押し付けられて、もういっそ素数でも数えて気を紛らわそうという境地に達していたメローネにギアッチョが声をかけた。
「なに?」
これに乗りかからない手はない。どんなとっかかりでも現状を突破する糸口を見つけるのは職業柄心得ている。出来るだけ刺激しないようにとメローネは無意識の内にギアッチョの空色の癖毛を撫でつけながら次の言葉を待つ。
「結構がっしりしてんだな。」
「なにが?」
「腹。いっつも見慣れてっけど意識して触ったことねえから気づかなかった。」
「ふーん。」
ビンゴ。
そっけない返事をしながら、メローネは小さく口角を上げた。
ギアッチョも疲労のせいで思ったことをそのまま口に出しているのだろう。そこに悪気があるかないかは二の次だ。そんなことよりも次の一手でこの状況が打破できるかがかかっている。
「ねえ、ギアッチョ。あんた疲れてんだよ。」
「あー。」
「疲れてるときには硬い物よりも柔らかい物に触った方がいいんだぜ?」
「んだよ・・・。」
鬱陶しげに顔を上げたギアッチョのあどけない表情がどことなく可愛らしい。思わずそのままからかいたくなるメローネだが、そうなるとこの状況からはいつまで経っても脱することはできない。
「そんな色気のないものよりもこっちの方がある程度は柔らかいのはあんたも知ってるだろう?」
ホラ、揉んでみろよ、と、ずいっと胸を突き出すメローネを今度こそギアッチョはポカンと口を開けて見上げている。
(よし。)
多分これで多少はギアッチョは正気に戻るだろう。
物事を行うには何事も楽しんでやらなければならないというのが彼の持論だが、現在メローネは楽しみどころかこの状況に戸惑いすら覚えている。多少正気に戻ったギアッチョに『ふざけんな変態!真昼間から何言ってやがるんだてめーは!!』とどつきまわされてもそれは別にスキンシップの一環で片付けられる程度のじゃれあいだ。何の問題もない。
「何なら吸ってみるか?」
もう一押しと言わんばかりに、辛うじて自由な右手で大胸筋を覆っている布地を引き下げようとした、瞬間、背中に回されていたギアッチョの左腕がすばやく動きメローネの手首をガシリと掴んだ。
「へ?」
「馬鹿かてめえは。」
「は?」
まるで冬の静けさに満ちた湖面を連想させる落ち着き払ったトーンで予想外の言葉を放たれたメローネはぴたりと固まってしまった。手首に食い込む指先もまた力強く、再びどこにこんな力があるのかと思わずにはいられない。
「そんな風にてめえを安売りすんな。」
「え」
「俺は別に身体目当てで付き合ってんじゃねえ。帰ってきて、おめえがいて、黙って労ってくれて、こうやってなんだかんだ言ってわがまま聞いてくれる、そんだけで十分なんだ。」
「ちょ」
思いがけない爆弾を落とされて、ついにメローネは自分の頭がてっぺんまで沸騰してしまう瞬間をまざまざと感じた。
(何この人・・・!何でこんなにイケメンなんだよぉ・・・っ!)
デレの過剰摂取で半ば逝きかけてしまっていたメローネの身体は再びギアッチョによってきつく抱擁と言う名の拘束に囚われることとなる。先ほどとは違い両腕の自由は残されたためある程度の動きは取れるが、皮肉なことに今のメローネはギアッチョのホールドがなければ一人で立っていることができないほど足元がおぼついてしまっており、ギアッチョの首に腕を巻きつけてその後頭部に熱を持ちすぎてしまった顔を隠すことしか出来なくなっていた。


「おー、メローネ。おめえヘマ踏んだんだってな?」
翌日、涼しい顔で自室へとやってきたギアッチョが、腰を痛めてしまったメローネが横たわるベッドにやって来て無遠慮にブランケットを剥ぎ取る。
痛みのために涙で潤むミントグリーンの瞳。うつぶせの状態のまま起き上がることが出来ないメローネの絹糸のような金の髪はさらりと背中に流れながらも整った造形の彼の顔をささやかに覆い隠している。

あれからすぐリゾットがアジトに戻ってきた際、我に返り慌てたメローネがその体制のままギアッチョを自室へ運ぼうとするも、鍛え上げられた彼の身体をその細腕で持ち上げることが出来るはずもなく。
ぐぎり、と自分の腰が嫌な音を立てた直後襲ってきた激痛にへたり込むのとリゾットがリビングに入ってくるのはほぼ同時のことだった。
『メローネ?』
暗殺チームのリーダーが帰宅して最初に見たものは、ソファの上で抱き合う形の部下二人・・・のうちの一人が今にもんどりうちそうな勢いで痛みに悶えている姿だった。
『リゾ・・・、たすけ・・・』
息も絶え絶えで懇願するメローネと幸せそうに眠りこけるギアッチョをべりっと引き離し、まずは彼を自室へ運び込むことを優先しこうなった経緯を聞きだそうとギアッチョの元へときびすを返そうとしたが、くん、と力ない指先で黒装束の袖口を掴まれリゾットはその足を止めることとなる。
『あの・・・、ギアッチョは、なんも知らない、から・・・』
彼に聞くのは止めてくださいお願いします、と懇願するどことなく気恥ずかしそうなメローネの表情に、ギアッチョととの関係を漠然とだが理解しているリゾットは、あまり羽目を外すなよ、とだけ言い残し部屋を後にした。

リゾットのことだからきっとギアッチョには当たり障りのない説明をしたのだろうなということは理解したが、それでも能天気な台詞と表情に腹が立たずにはいられない。
「あ、んたのせいだ・・・っ!」
そもそもあんたがあんなことしてこなきゃ・・・との言葉は飲み込むが、睨めつけずにはいられない。
「・・・おめえよぉ・・・。」
ギアッチョは大げさに溜息を吐く。そんな姿でそんな顔をされても凄みなんか伝わらない。むしろ劣情を煽るだけだと言ったところできゃんきゃん吼えられるのは目に見えているし、何よりも怪我をした恋人には無理はさせたくはないくらいの理性は持ち合わせている。
もう一度小さく息を吐いたギアッチョはメローネの腰にそっと指先で触れる。
「っ」
「痛み止めは飲んだか?」
「ああ・・・。」
ぎし、とベッドに腰をかけたギアッチョをメローネは痛みに耐えながら見上げるが、無茶すんじゃねえよボケと吐きながらメローネの頭を楽な方へと向かせる。
「気休めにしかなんねえかもしれねえけど・・・。」
腰を痛めた場合、捻挫と違って冷やせばいいものではないことは知っている。しかしどうやらメローネは、疲れてフラフラになった自分のせいで腰を痛めたらしい、とリゾットから聞いた。
疲労困憊のため記憶は定かではないが、恋人関係にあるメローネが、自身のせいで、腰を痛める。これらから容易に連想できるものは自ずと限られており、さすがに焦りを見せたギアッチョだったがどうにもリゾットと会話が噛み合わない。
(ったくよぉ~。)
短気な彼が根気よく粘り、仕事以外ではさっぱり天然になってしまう大将から聞き出した結果は、文字通り、転寝していた自分を風邪を引くからと自室に運ぼうとしたメローネが腰を負傷したという事実だけで、安堵したのと同時紛らわしいこと抜かすんじゃねえと思わず叫んでしまったのは無理からぬことだと言えよう。
「・・・どうだ?」
「・・・ベネ。すごく、気持ちいい。」
ふぅ、とか細く息を吐く音が聞こえてくる。直接ではなく布地の上から冷気をほとばしらせた指先でメローネの患部を繊細な動きで撫でていく。
「ギア、チョ」
「あ?」
とろりとした甘やかな声に呼ばれて顔を向けると、組んだ自分の腕を枕にして今にも突っ伏して眠ってしまいそうなメローネの顔がある。
「んだよ。」
微睡みと現の線引きがひどく曖昧な表情でうつらうつらとしているメローネのさらさらの髪に触れてそっと梳く。汚いものばかりを見すぎてきた彼にとっては数少ない、美しいと思える存在。
「・・・なんでもない。」
「んだよそれ。」
上手く働かない頭では言いたいこともよく判ってないのだろう。これ以上意味のないことを喋らせるよりも眠らせた方が早いと言わんばかりにギアッチョはメローネの淡い翡翠の瞳に手を置いてそのまま瞼を下ろさせる。
すぐに聞こえてくる規則正しい寝息を確認したギアッチョが、小さく呟いた。

「昨日言ったことは、全部本当のことだからな。」


せめてこんなことでうろたえないくらいには平素でも優しくしてやるべきかと柄でもないことを思うが、そんなことはきっとこの美しくも変質的な恋人は求めてはいないであろうことを理解しつつ。


願望を詰め込みすぎてディ・モールト楽しかったとしか言いようがない話。
つうかうちのリーダーはどこまで二人のことを知ってんのだろうかと書いていて疑問に思った。

うちのギアッチョさんはクーデレです。誰が何と言おうと。そしてメロンの変態要素が薄いので今回頑張って変態要素を付け足してみたのですが、どうやっても乙女>>ピュア>>>>>>>(略)>>変態になってしまうのは、こりゃもうどうしようもねえな。うん。

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